『人を賢くする道具』第1章 tasuのメモ
tasu.icon「第1章 人間中心のテクノロジー」まで読んだのでメモ(≠レジュメ)
tasu.icon疑問について考えつつ、続きの章を読んだら戻ってくる(本書を通読していない状態で環読プロジェクトに参加)
tasu.iconがついてないものは、引用や、引用からの一部改変。書籍の順番通りではないけど、1章ずつなので困らない……はず
メモ
本書やノーマンの目的・目標
① 人間固有の美点、人間がいかに機械と異なっているか論じる
② 人間が機械とより調和のとれたやり取りができるようになる
テクノロジーと人間の関わりは社会的な問題として捉えなければならない
tasu.icon個人には何ができるか?
②´ 認知に関するテクノロジーに対して人間中心の見方を展開していく
tasu.icon認知に関するテクノロジーとは何か?
tasu.iconおそらく「認知のアーティファクト(=心を支援する知的な道具)」に関係する。先を読めばわかりそう。
②´´ テクノロジーと人間の認知との相互作用を理解する
⇒ いろいろなテクノロジーの存在理由や特性を学ぶことができたらその影響をコントロールできる
ex.テクノロジーの存在理由
あらゆる統計数値の山:政策決定者や企業経営者を支援するため
ニュースや娯楽メディア:情報や楽しみを提供するため
インターネット:共同作業や相互交流を助けるため
テクノロジーの存在理由:人間の思考や文化的生活を支援する
テクノロジーの(負の)特性:生活のある一面を意図的に重視し他の面を無視する考え方をもたらす。重視するかは、真の重要性ではなく科学的、客観的に測定できるかどうか
③(元々の目的は、人間の知的能力を増強するためにどんな原則が必要なのか議論することだった)
本書での「賢い」「知」
テクノロジーを利用し
より深く、より明解に考えることができる
正確な情報を入手する手段を得ることができる
距離・時間を問わず効率良く仕事をすることができる
アーティファクトを造る能力
(内省により、)人間がものごとを理解する上での新しいアイデア、新しいコンセプト、進歩をもたらすもの
tasu.icon(tasu.iconの過大解釈気味だけど、)一般的な「賢い(≒頭が良い)」よりも射程は広そう
⇔ 「愚か」
テクノロジーにより
CMの虜にされる
人工的な複雑さにイライラさせられる
アーティファクト
⊃思考や行動を改善するために人間が発明したもの
ex.物理的アーティファクト:紙や鉛筆、電卓やコンピュータ
ex.メンタルなアーティファクト:読み書きのスキル、算術、論理、言語
有益なものと有害なものがある
∵テクノロジーは偶然できた。発展も計画的なものではない。
テクノロジー発生
⇒専門化。これにより複雑化
⇒新しいテクノロジーが社会を変える
⇒より新しいテクノロジーをもつ側に権力が流れる
⇒更なる専門化
人間あるいは心
人間は能動的、創造的、社会的存在
心は常に説明を探し、解釈し、仮説を立てようとする
他者との交流を求める。他者が要求しようとしていることを理解しようとして自分の行動を変える
人間の行動一つ一つは、多様な相互交流と、経験と知識、社会的関係によってもたらされる
table:機械中心の見方、人間中心の見方
機械中心の見方 人間中心の見方
① すぐに気が散る 周囲や新たな出来事に注意深い
→いろいろな仕事をしたり、ペースを変える、仕事を適切に組み合わせる
② めったに美しく正確な文を喋らない 文法(言語を記述するために学者がつくった規則)で話をするわけではない
③ 感情が影響して意思決定や思考を曇らせる 「論理」「意思決定論」とは別の原則に則っている
④ エラーをする 機械中心のふるまいを要求するテクノロジーに問題がある
tasu.icon本書では、文法もアーティファクト(テクノロジー)の一部
tasu.icon②を見落とさないためには、機械中心の見方というより、テクノロジー(アーティファクト)中心の見方として把握しておいた方が良さそう
tasu.icon④については『誰のためのデザイン?』で詳しく論じられていた
体験的認知 ⇔ 内省的認知
体験的認知:エキスパートの行動モード。効率良く周囲の出来事を知覚したり反応したりできる状態
内省的認知:比較対照や思考、意思決定のモード。新しいアイデア、新たな行動がもたらされる
人間の認知は多次元(五感、心的活動、外部世界の構造)であるものの、心のふるまいの2つの側面を浮き彫りにするため、話題を絞る
tasu.icon実際『エモーショナル・デザイン』では認知の処理レベルとして「本能」「行動」「内省」の三つを提唱
tasu.icon本書での説明のためのモデル化であることは忘れないように
ウィリアム・ジェームズ:「推論」⇔「物語的、記述的、経験的思考」
ブルーナー『実際の心と可能な世界』:「パラダイム的思考(科学的、論理的)」⇔「物語的思考(物語、ドラマ、体験)」
ブレンダ・ローレル『劇場としてのコンピュータ』:「創出モード」⇔「体験モード」
ジェンス・ラスムッセン:「スキルにもとづくモード」⇔「ルールにもとづくモード」⇔「知識にもとづくモード」
tasu.icon類似概念が多いので注意する
私(ノーマン)にとっては,体験,内省のどちらのモードを通じても創出的であり得る
tasu.iconとのこと
テクノロジーの問題
⊃体験的状況に対して内省のためのツール、内省的状況に対して体験ツールを与えてしまっていること
∴適切な比率の内省を保証することが必要
⇒内省の役割を理解し、テクノロジーによる適切なサポートと知のためのトレーニングを提供しなければならない
∵効果的な内省には何らかの構造や仕組みが必要。体系的な手順と手法が大きな支援となる
その他のメモ
人間科学、社会科学研究
重視されるのは正確さ、厳密さ、再現性
その研究がより上位の問題にとってどのような意味をもっているか重視されない
tasu.icon上位の問題とは?
tasu.iconノーマンが研究を離れて実務家になったことを踏まえると、実務?
tasu.iconでも研究(抽象)⇔実務(具体)の対比ではなさそう。抽象の方が応用が効く。
tasu.icon単純に専門性が高くニッチすぎる研究ということ?
ハードサイエンス ⇔ ソフトサイエンス
ハードサイエンス:精密で正確な測定に頼る科学
ソフトサイエンス:観察や分類、主観による測定や評価に頼らねばならない科学
代理体験は楽しいものかもしれないが、能動的参加の置き換えにはならないのである。 p46
tasu.icon能動的な代理体験は存在するか?